映画「ピラミッド5000年の嘘」パトリス・プーヤール監督インタビュー

パトリス・プーヤール

Q　なぜピラミッドの映画を作ろうと思ったのですか？
A　以前は私も皆さんと同じように、ピラミッドは王の墓であるという説を普通に信じていました。しかし、1999年にある人物と出会ったときに、ギザのクフ王のピラミッドは原始的な道具を使ってたったの20年で作られたという説には、何ら科学的根拠がないということに気づかされたのです。

その後私は6年間かけて徹底的にピラミッドの調査を行いました。一方で、私に情報を提供してくれた人物は、37年もの年月をかけて、ピラミッドに隠された"真実"を研究し続けていました。その人物こそ、今回の映画「ピラミッド5000年の嘘」の原作者ジャック・グリモーです。

考古学者たちは、過去の説にとらわれて真実に気づくことができないbelievers（信じ込んでいる人たち）です。私たちは、多くの人に本当のことに気づいてもらいたいと思い、映画の製作を決意しました。

Q　これまでの説にはどのような"嘘"があるのですか？

A　例えば、大ピラミッドは紀元前2700年頃に建てられたとする考古学者がいますが、地質学によると、大ピラミッドの建造年代を特定するのは不可能です。石の年代を特定することはできても、切り出された年代はわからないからです。

また、大ピラミッドは約20年で建てられたと言いますが、これはクフ王の統治期間をもとに推測した数字で、文書や絵による記録では、建造期間には一切触れられていません。実際のところ、あれだけの大建造物を20年で建てるのは、現代の技術をもってしても困難なのです。

大ピラミッドがクフ王の墓だとする説に関しても、確たる証拠はありません。これまでエジプトのピラミッドの中で、ミイラが見つかった例はないのです。

私たちは大勢の建築家、人類学者、物理学者、建造工学技術者らにインタビューを行い、ピラミッドや古代エジプトについて、現代の科学に基づく客観的な意見を引き出しました。私たちはそれらを映画の中で紹介し、そこから"真実"を導き出そうとしているのです。